トロントの冬:洋服選びと防寒対策

日々の出来事

カナダと言えば「寒い国」。日本でカナダに住んでると言う話をすると、「寒いでしょ!」と言うのが最初の反応です。
事実としてカナダは寒くて雪も降りますが、意外に日本の冬よりも過ごしやすいかも!?と言うのが初めて冬を体験してみての印象です。
2年で3回の冬を超えてみて、私が個人的に感じたカナダの冬を快適に過ごすためのコツを紹介します。

◉ ブーツ、コート、パンツ選びのコツ:防水!防水!防水!&防風
◉ レイヤリング
◉ その他

東京・静岡・大阪の関東以南の冬しか見たことがないので一日中マイナスの気温でいるのも、雪の中で生活するのも初めてのことです。
バンクーバーと悩み、最終的にトロント移住を決めた時の1番の心配事は、冬を過ごせるかどうかでしたが、実はトロントの冬はカナダの中でもとてもとても穏やかな方です。温暖化もあって最近は更に暖冬になっているとのこと。私の過ごした3回の冬で一番気温が低かったのが-24度くらいだったと記憶しています。アルバータ州やケベック州の友人達は、-40度以下に達する冬を経験してきているのでトロントの冬は「暖かい」のだそうです(苦笑)

実際トロントの冬はどうなのか。私がカナダに到着した日は-14度(体感温度は-20度)で、外に出た瞬間液体は瞬時に凍ってしまうんじゃないかと(笑)思っていましたが、実際には外に出て普通に活動することができます(笑)とても寒いけれど、雪が積もっている外はとても綺麗で寒さを忘れてワクワクします。雪がなくて中途半端に寒いより初冬より、ガッツリ寒くて雪がある真冬の方が良い!と思うくらい。
とは言え、微妙な気温だとみぞれが降り、風が吹けば体感温度は更に下がり、雪や氷とも毎日顔合わせな毎日。
カナダの冬を少しでも快適に過ごすにあたり同僚達に一番重要だと言われたのが「Stay Dry!(濡れないように気をつけること)」。つまり防水性のある防寒服を着用すること、それは衣服が濡れるのが一番寒く感じるからだそうです。
個人的に大事な防寒具Top3 1)ブーツ(足) 2)コート(体) 3)パンツ(ズボン)選びのコツを紹介します!

ブーツ、コート、パンツ選びのコツ
まずブーツ。
上司に受けたアドバイスは「雪国メーカーのブーツを選ぶこと!」。彼女に言わせると雪を知らないブランドの防水性は信用できない!とのこと。カナダで有名なブーツブランドとしてSorel、Kamik、Pajarなどがあります。(もちろんその他にも雪に強いブーツブランドはたくさんカナダで販売されています)

防水性に合わせてブーツを選ぶ上で大事な特徴は、①暖かさ(中の詰め物)、②靴底の滑り止め、③そして軽さ(手軽さ)。
①について、スタイルの良い防水の皮のブーツもありますが一枚素材だと足はとても寒いです。雪国madeなブーツはほとんどが中に詰め物をしていたり、靴底がしっかり厚くなっていて寒さが浸透しないようになっているので、寒い日もより快適に過ごせます。
②靴底の滑り止めも侮ってはいけません!!急な気温差がある日には、水溜りや雪の底は恐ろしいツルツルの氷の塊になります。見た目に騙され、ただのコンクリートが濡れているだけに見えたり、あまり考えずに雪に踏み込んでしまうと、カナダで生まれ育った人たちでさえ滑って手首を骨折している人がいるくらい。こんな恐ろしい状況を避けるためにも、靴底がに凹凸がちゃんとついていて滑りにくい素材になっているか、確認してみてください。氷になっていなかったとしても雪が積もった斜面は、滑り止めがあると劇的に歩きやすくなります。
③最後に軽さ(手軽さ)。防水で防寒で靴底がしっかりしているとなると重量も自然と増えてしまいますが、快適に歩くには手軽で歩きやすいブーツが楽ちんです!私も初めての雪国ブーツ、と意気込んでSorelのがっしりしたカリブーブーツを購入したのですが、重いこと、そして頑丈なために足を曲げづらいことが理由で大雪仕様のみになってしまいました。日々の散歩や友達との外出には、より軽くて柔らかい素材のブーツを持っておくと良いです。
またダウンタウンにいて街歩きをする分には除雪されていて雪にハマることなく歩けるので、足首上くらいのショート丈のブーツを履いている人がほとんどです。建物に入ると熱いのも理由かもしれません。日本では割と多いロング丈(私も日本から持ってきました)なのですが、意外な違いでした。
私の愛用はBogusのブーツ。トルコのメーカーですが、冬も快適に過ごせるブーツです。

(参考)
https://www.amazon.co.jp/%E3%83%9C%E3%82%B0%E3%82%B9-%E3%82%B9%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%BC%E3%83%84-%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%BC%E3%83%84-%E3%83%A6%E3%83%8B%E3%82%BB%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9-SNOWDAY/dp/B07V3LSYQC/ref=sr_1_30?qid=1684598481&s=shoes&sr=1-30

次にコート。
日本にいたときはおしゃれなダウンコートを着ていましたが、いつ雪や雨が降るかわからないトロントでは、暖かいだけでなく防水性の優れたジャケットは必須です。
防水性以外に暖かさを保持するためのポイントは、①手をすっぽり入れられるポケットがあるかどうか、②フードがついているかどうか(さらに言うとファー付きが良いです!)、③長さ。
①ポケットに関しては、冬なので手袋をしていることが大半かと思いますが、街歩きで薄手の手袋をしている日、風の強い日はどうしても手が冷たくなってしまうので、手を温められるポケットがあるととても便利です。
②次にフード。日本ではあまりフードの出番はないのでフードがついていないジャケットも多いと思います。トロントでは、寒い上に風が冷たい日にはとにかく体温放出を防ぐことが大事で、フードを被るだけでだいぶ暖かさを保つことができます。
更にフードについているファー。何のためについているか、みなさん知っていましたか?
私はただの飾りだと思っていたのですが、ファーの役割は大きいです。大雪の日に雪が吹雪くと顔に雪が当たって目も開けられず顔も痛くなるのですが、なんとフードについているファーがこの雪を防いでくれるのです!!また雪の他にも、フードの中に風が入り込むのを防ぐ(体温を保つ)ためにファーがあるそうです。ファーのこと、見くびっていましたがちゃんと大事な役割を果たしていました。(素材は天然でもそうでなくても機能的には同じだと思います)
③次に長さ。日本の都会だとそこまで寒くならないこと、また電車に座ったりすることも多いので、ダウンやジャケットとなると腰までのショート丈を使う方が多いのではないでしょうか。ファッションや機能面では私もショート丈が好きなのですが、トロントの冬を乗り越えるには長ければ長いほど、最低でも腰もすっぽりカバーできる長さがあると格段に暖かく過ごせます。私も現在腰までの分厚いジャケット(The North Face)と、膝丈の少し薄めのジャケット(Eddie Bauer)を持っていますが、長さがあるからか特に風の強い日には膝丈ジャケットが暖かく感じ大活躍しています。

The North Face: Women’s Arctic Parka
Eddie Bauer: Women’s Girl On The Go Insulated Trench Coat

とっても寒い日には、マキシ丈のダウンジャケットも見かけます!とても暖かいと聞いているのと、ジャケットが暖かいとインナーの服は軽めで済むのが良いですね。

そしてパンツ(ズボン)。
3大防寒具に入るの?と思うかもしれませんが、私にとって冬に強いズボンによって冬の快適度がグンと上がりました。
特に風の強い日。上半身と足はコートとブーツに守られていますが、その間にある足もちゃんと守らないと、寒さが浸透してきて外に長くいることができません。私も最初は厚手のジーパンで大丈夫だろうと思っていましたが、ジーパン一枚では太刀打ちできる寒さではありませんでした。ブルーの散歩をするのに満足に寒さに耐えられず、お隣さんに「どんなパンツを履いているの?」と聞いたほどです。
脚の防寒のポイントは防風性。ジーパンなどの素材は通気性も良いので風を簡単に通してしまい、寒さや風で足はすぐに冷え切ってしまいます。
そこでおすすめは2重にズボンを履くか、インナーがついているパンツやタイツ。
ジーパンの下にヒートテック、レギンス、タイツを履いて2重にする。インナー付きパンツの場合は、フリース素材などが中についていて、2重素材になっていることで風の侵入を防ぐことができます。
ここからさらに快適度を上げるのは、防風/防水素材のアウター素材を選ぶこと。外側が風と寒さの侵入をブロックし、内側のフリースやタイツが体温を守ってくれるので寒い日でも長く外にいることができます。私は犬の散歩で外歩きが多いので、カナダに来て購入した防風+フリースインナー付きのズボンにほぼ毎日お世話になっています。

(参考)フリースインナー付き防風パンツ
https://www.amazon.ca/Sunice-Womens-Windproof-Micro-Fleece-Regular/dp/B0BJGPL16N/ref=asc_df_B0BJGPL16N/?tag=googleshopc0c-20&linkCode=df0&hvadid=578883531325&hvpos=&hvnetw=g&hvrand=16292147389072982185&hvpone=&hvptwo=&hvqmt=&hvdev=c&hvdvcmdl=&hvlocint=&hvlocphy=9000970&hvtargid=pla-1929575903424&psc=1

難点なのはオシャレ感。防風素材のパンツはなかなか「オシャレ!」と言いづらいものも多いので、友達との街歩き・屋内でほとんどの時間を過ごす場合は、好きなパンツ+内側にヒートテックかレギンスにすることが多いです。

レイヤリング
カナダに来て冬の装いとして学んだのが「レイヤリングをうまくする」と言うこと。
日本だと、一枚厚手のセーターを着て、その上にコートかダウンを着る・・・と言うようなことが多いですが、カナダに来てからは薄手のトップスを選ぶことが多くなりました。分厚いセーターを着ると、ガッチリしたジャケットの下で着膨れ+暑くなり過ぎてしまうこと、また室内が暖かいのが理由です。
私はすごく寒がりな方で、冬の典型的な日には、薄いヒートテック+薄手のウールセーターを選ぶことが多いです。
とっても寒い日には、この2重にさらにパーカーやカーデガンを足したり、ヒートテックを極暖仕様に変えたりしています。
パーカーを足すと、ジャケットとの隙間を埋められるので、さらに暖かくなります。

カナダでは、法的に住居(家やアパート)は冬の間最低19度以上に保つことが定められています。これは大家さんが勝手に電気代節約などをして住人が凍えてしまうのを防ぐため。寒いカナダならではの法律ですね。
極寒の外と快適な室内の両方に対応するために、ジャケット内を薄手の服を何枚かで調整することをお勧めします!

その他:日本の冬の装いとの違い
その他の防寒具として、カナダではニット帽と手袋も必須です。ニット帽は似合わないから、、と思うかもしれませんが、耳を頭を寒さから守るのは必須。カナダ人はみんな帽子をかぶっていますし、私も冬の間は毎日ニット帽を被っています。
日本でよく着用していたマフラー。マフラーの着用は実はカナダに来てから減ってしまいました。これはジャケットがしっかりしているから、と言うこともあるかもしれません。

カナダ人は寒さに強いのか、「ジャケットの中はTシャツ」な人がいたりします(笑)
車移動が多い場合は、もちろんそんなに厚着する必要はないですし、カナダ人らしくアイススケートをしたり、ハイキング(公園を歩いたり)で活動的に過ごす日などもジャケット内は薄めの装いが良いかもしれません。

少し記載しましたが、2.5回冬を過ごしてみて、カナダの方が日本より快適かも?と思った理由に室内の快適さが大きく影響しています。
カナダではアパートも家も大体セントラルヒーティングで19度以上が保たれています。Tシャツ短パンで過ごせるほどの気温ではありませんが、家全体が一定の気温なので家中動き回れること。日本だと廊下やお風呂は暖房しないので気温差が激しかったり、暖房器具を使うと部屋の温度にむらがあるので、家の中でも寒く感じることがありますよね。
「カナダと言えば寒い」のは確かなのですが、寒さ対策をしっかりすれば過ごしやすい国です!(と宣伝しちゃいます)

雪の中ではしゃぐブルー

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